ウーパールーパーの生態について:その6
製作:前橋工科大学大学院 阿部 泰宜
今回は、ウーパールーパーの分類と、その分類上の仲間たちについてご紹介していきます。
ウーパールーパーは両生類です。
両生類は分類上『両生綱』という言い方をします。ちなみに、哺乳類も『哺乳綱』といいます。
両生類は、『両生』という名の通り、
個体の成長段階によって水陸を必要とする種が多いことが特徴のひとつです。
決して、水陸どちらでも棲息が可能ということではなく、
棲息するためには、そのどちらも必要な生物、という意味です。
しかし、一部の種では一生を水中で過ごすものも存在し、必ずしも上陸を行なうわけではなく、
変態を行う種が多い中、やはりというべきか行わない種も存在します。
無論、ウーパーはこれらの少数派にあたります。
繁殖形態としては、卵生というイメージが強いのですが、
実は、卵胎生を行なう種も存在し、様々です。
ウーパーの場合には、雄の出した精子を雌が体内に取り込むことで、受精卵を産卵するようです。
交尾するわけでもなく、卵に放精するわけでもない、変わった繁殖形態をとっています。
呼吸も成長段階や種によって、鰓・肺・皮膚と、様々な呼吸形式をとり、
食性は多くの種が肉食です。
化石種には海に棲息していた種もいたようですが、
両生類は塩分への耐性が弱く、海産の種は確認されていません。
(汽水域に生息するカニクイガエルなどという例外は存在します)
さて、その両生綱には、
- イモリ、サンショウウオなどが分類される有尾目
- カエルなどが分類される無尾目
- アシナシイモリなどが分類される無足目
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が存在し、ウーパーは有尾目に分類されます。
その分類を細かく分けていくと以下の図のようになります。

これら『属』の下には、『アカハライモリ』や『オオサンショウウオ』などの『種』が存在しています。
そして、ウーパーは、
イモリ亜目・トラフサンショウウオ(マルクチサラマンダー)科・27種の中の、
幼形成熟(ネオテニー)した個体の総称であり、
その中でも代表的な種であるメキシコサラマンダーを指す場合が多いようです。
つまり、27種もウーパー候補が存在しているため、
『この種がウーパールーパーだ』と、種を断定することが出来ず、
なんだかとっても微妙な分類になっています。
そもそも、ウーパーにはサラマンダーなどという『イカツイ』名前が付いていますが、
このサラマンダーという言葉は、有尾目の動物の英名であって、
それに対応する日本がなかったためにそのまま『サラマンダー』と呼ばれています。
…時に、
サラマンダーは『サンショウウオ』と訳される場合がありますが、
この場合、『サンショウウオ亜目』と『イモリ亜目』を区別した呼び方ではありません。
また、ウーパーは分類上では『サンショウウオ』でないこともあり、注意が必要です。
…まぁ、よーするに、
上の分類からも分かるように、ウーパーは『イモリ亜目』に分類されているため、
一応、分類上は『サンショウウオ』よりも『イモリ』に近いということが言えそうです。
…しかし!
ウーパーは、『(トラフ)サンショウウオ科』に分類されています。
というか、
イモリ亜目に、サンショウウオと名がつく『科』が存在すること自体が謎なわけですが、
とにかく、分類した人の責任を問いたいほど、ヒジョーに紛らわしくなっています。
そもそも、サンショウウオとイモリの違いについて調べたところ、
日本サンショウウオセンターHPにその見分け方が載っていました。
これをみると、うーぱーはサンショウウオに近いような気がします。
しかし、繁殖形態はイモリに近い…。
これは、うーぱーがネオテニーする種であったため、このようにおかしなことになったのかもしれませんが、
イモリともいえず、サンショウウオとも言えず、やはり、なんともビミョーな種であることは間違いないようです。
ちなみに、
『サンショウウオ亜目』に分類される『エゾサンショウウオ』の幼体はこんな感じです。


…ウパに似ています。
残念ながら、成体になり、陸上での生活を始めてしまうと、このように、

つるりんとしてしまいますが、
サンショウウオやイモリなどの『有尾目』の幼体は『外鰓』を持っているため、
姿形は、ウパにそっくりです。
実は、『無尾目』に分類されるカエルも孵化直後には外鰓を持っています。
しかし、オタマジャクシになると外鰓はすぐに消えてしまうため、
その事実を知る人は少ないようです。
その他には、ハイギョやイトトンボ、カワトンボなどにも外鰓があります。
そういえば、ペットショップで古代魚っぽい、長〜い名前の魚が
外鰓を持っているのを見たことがあります。
そうはいっても、やはり姿形はウパとはかけ離れています。
さて、そのビミョーな分類におかれているウパたちにも、
- 体の色が白くて目が黒い、ウーパーといえばこのタイプ、リューシスティック。
- 体も白けりゃ目も白い、ちょっと不気味な、アルビノ。
- 体の色が黄色い、なんだかありがたい気持ちになれる、ゴールデン。
- 体の色が斑で、現地の野生種に近い最もワイルドな、マーブル。
- 体の色が黒い、野生種に近い色で価格も高い、ブラック、
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など、その色の違いよって名称が異なります。
うちのはリューシスティックですね。
←うちの。見事に無気力。
これらの体色の違いは、『種』そのものの違いによるものなのかは分かりませんが、
どうやら現地種などとの掛け合わせや、突然変異などによって生まれたようです。
中には希少種も存在して、高値で取引されているとか…。
ちなみに、うちのは、体長6〜7cmで一匹1000円でした。
2匹ともメスのようなので、繁殖はしませんが、
機会があればやってみたいような気も…。
まぁ、きっと…、なんだかむしょーに気が向いたら…、
というか、それはもはや、気の迷いというレベルなのかもしれませんが、
挑戦してみることがあるかもしれません…。
そのときはその様子をまたここに書くことにします。
それではまた!
参考文献
ウーパールーパー前線要塞基地
ウィキペディア
日本サンショウウオセンター
両生類トップページ
画像提供
株式会社環境技術研究所
協力

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