ナメクジ編:愉「貝」な仲間たち!

第七回は、ナメクジを取り上げてみます。



学 名 Lehmannia valentiana
和 名 チャコウラナメクジ
腹足綱
有肺亜綱
柄眼目
コウラナメクジ科
※写真のナメクジが本当に「チャコウラナメクジ」なのか、自信は全くありません…。

…ついに殻さえも無くなってしまいました。

でも、ナメクジもれっきとした貝類ですから、仲間に入れてもいいです…よね?
ナメクジは、陸生の貝であるカタツムリ・キセルガイとは近縁に当たります。
ナメクジとは「ナメクジ科」及び「コウラナメクジ科」に属する殻のない陸生貝の総称です。
殻を持った貝が進化して、殻が退化したものがナメクジです。
進化なのに退化です。
今でもナメクジは退化した貝殻の名残を体の中に持っているそうです。
この進化により、石の下など狭いところにも入ることが可能になり、
捕食者から逃げ延びることができたり、湿った場所を確保することが容易になりました。
勿論、殻が退化した分の弊害もあります。
敵から身を守る殻が無くなったため、攻撃されたときは無防備ですし、乾燥にも弱くなりました。
あらゆる毒物やpHの変化にも弱いため、環境の変化に敏感な生物であるといえます。

そんなナメクジの生態的特徴をまとめるとこのようになります。

つまり、サカマキガイと一緒ですね。
ナメクジの軟体部の背面は、灰褐色の外套膜で覆われています。
この外套膜を用いて、空気中で呼吸を行っています。
陸生なので当たり前ですけれどね…。

で、ナメクジのほとんどは同時的雌雄同体です。
これは、2匹で交尾すると双方が同時に受精できるという生殖機能です。
また、交尾せずに1匹だけで受精する「自家受精」も可能なようです。
(「自家受精」自体、交尾後の精子を体内に保存し、環境などの条件が整ったときに受精するという説もありますが…。)
土や落ち葉などの湿気の多いところで越冬した成体のナメクジは、春に産卵します。
孵化した幼体は約35日で成体となり、産卵が可能になります。
産卵の時期は春と秋の2回で、土の中や葉の下などに産みます。
なんと1匹のナメクジは年間で約300粒ほどを産卵するそうです。
卵は半透明で2〜3mm前後の円形や楕円形をしています。

頭部に長短二対の触角があって、長い方の先端には眼があります。
ここに触れると収縮します。
眼といっても明暗がわかる程度のものらしいです。
下から出てくる短い触角は味覚を感じるためのものです。
口は、歯舌(しぜつ)という器官を使って葉っぱをそぎ落として食べています。
こちらは「舌」とついていますが味は感じません。
夜行性なので暗くなってから活動します。活動範囲は半径数メートルです。

ナメクジにもいろいろ種類があり、日本でも10種以上が知られています。
他の種として、チャコウラナメクジヤマナメクジなどがいます。
最近では、ある程度乾燥に強い外来種のチャコウラナメクジの生息範囲が拡がってきているそうです。

一般的にナメクジは嫌われ者です。
その外見もありますが、食害によって農作物や観賞用の植物に害を与えます。
これが嫌われる最も大きな理由でしょう。
一説では、キノコ類を食べるとナメクジは急に大きくなるらしいですが…。
さらに、ナメクジは寄生虫を持っている場合があります。
広東住血線虫という大変危険な寄生虫の宿主になり得ます。
日本でもこの寄生虫が原因での死亡者が出ています。
そのため、ナメクジを生食するなどという民間療法はゼッタイに行わないでください。
また、ナメクジは腹面全体の伸縮によって歩き、這った跡に粘液の筋を残しますが、
これらの粘液にも寄生虫が含まれている場合がありますので、
ナメクジが這った可能性を考えて、野菜などはしっかりと水洗いするべきです。

そんなナメクジの駆除方法にはいくつかあります。
一般的に良く知られている「塩かける」という方法は、ナメクジ自体を溶かしているのではなく、
ナメクジの体内の水分を奪っているだけなのです。
そのため、塩をかけられ水分を失ったナメクジでも水分を補給すれば元の姿に戻ります。
あまりに大量に塩をかけられると水分不足で死んでしまうようですが。

手っ取り早いのは薬物を使った方法です。
農薬をまいてしまえば、体剥き出しのナメクジは全然耐えられません。即死です。
でも、環境的にちょっと問題なような…。

次に、ナメクジを一箇所に集めて除去する方法。
ゴキブリホイホイ的な考え方です。
そのやり方で効果的なのが、なんとビール
ナメクジはビールを置いておくとすぐに集まります。
誰がこんな方法を発見したのかは知りませんけれど、すばらしく効果的です。
んで、そのままビールの中で溺死しちゃったりします。
…酔ってるのかもしれません。

銅板や銅線を使う手もあります。
ナメクジ類やカタツムリ類は銅イオンに対してきわめて強い忌避性を示すため、
銅線や銅板を置いたり、銅剤の500〜1000倍希釈液をワラ縄や木綿布に染み込ませて用いるものいい方法です。
でも、あくまで防除方法なので、駆除することはできません。

ナメクジの天敵を導入する方法もいいかもしれません。
カエルやアヒル、マイマイカブリなどがナメクジの天敵になりうるようです。



…ちなみに、
コウガイビルっていう生き物も天敵になりますよ?(まったくお勧めできませんが)
※注意。気分を害する恐れがあります。

参考文献
http://www003.upp.so-net.ne.jp/consecol/alien_web/nantai/shyumei_list.html
http://www006.upp.so-net.ne.jp/maimai/htmpage/esey4.htm
http://www2s.biglobe.ne.jp/~fdj/banken/g0418.html
http://www.ruralnet.or.jp/gn/199906/nameku.htm
http://www.pref.kochi.jp/~kankyou/tosa/096/0965-4.htm
http://www.erc.pref.fukui.jp/gbank/snail/snail_1Page51.html
http://mirabeau.cool.ne.jp/shiohigari/namekuji.html
http://www.sumika-takeda-engei.co.jp/navi/gaichu19.html
http://homepage2.nifty.com/osiete/seito93.htm
http://www.geocities.jp/noctilukana/snale.htm
http://x51.org/x/03/10/2028.php
http://gtm.cool.ne.jp/kainamekujikatatumurinominakantiryo.htm

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