モル編:用語「貝」説!

製作:前橋工科大学大学院 阿部 泰宜

第三回:モル

今回は、なんだかとっても化学なお時間です。
んで、取り上げる用語は「モル」です。
いや、「これ貝に関係しているか」って言われるとかなり苦しいところがあるのですが、
っていうか、ぶっちゃけ関係ないだろうなーっていうか、
まぁ、そこら辺は大目にみていただきたい。

で、高校化学で誰もが聞いたことのあるこの「モル」ですが、
皆さんはどれだけその意味を理解しているでしょうか?
その意味をよく理解できずに苦しんだ人も多いはずです。
ちなみに私は、「モル」と聞いただけで拒絶反応が出るタイプの人間です。
まぁ、出来ればこの解説も避けたかった。
しかし、「モル」をよく理解していなかった私だからこそ出来る解説があるはずです。
皆さんが分かりやすいような形で解説していければと思います。

…それでは、

まず、モルとは何なのでしょうか?

「モル Mole」
「アボガドロ定数個の物質粒子の集合」

……。


…アレ?
なんだか、いきなりつまずいた感があるよ…?

とりあえず「アボガドロ定数」を理解しなければいけないらしいです。
…で、

「アボガドロ定数 Avogadro's constant」
「物質粒子(原子、分子、遊離基、イオン、電子、素粒子など)1mol中に含まれる粒子数。
6.02252(±0.00028)*10^23個。通常NAで表す。」

よーするに、テキトーに粒子を「6.02*10^23個」集めれば1molになるのでしょうか…?(違います)

さてここで、「原子量」という言葉も引っ張り出してみることにします。

「原子量 Atomic weight」
「炭素の同位体を基準として、各元素の原子の質量を定めたもの。
(同位体の存在比は多くの場合あまり変動はないから、各元素ごとに加重平均を行った結果はほぼ一定となる。)」

つまり、「ある元素の原子量は、その元素の属する原子が他の元素に属するものに比べてどの程度重いか示している」
…らしいです。
元素だの原子だのややこしいですね。
まぁ、そこら辺はうやむやにしておいて、(アレ?)
例えば、水素、ヘリウム、酸素の原子量はそれぞれ1、4、16となっています。(周期表を参考に。)
これは水素原子の質量が、ヘリウム原子の質量の1/4倍、酸素原子の質量の1/16倍であることを示しています。
同じように「分子量」という言葉もあります。
例えば水(H20)の場合ですと、
水は水素原子2個と、酸素原子1つで構成されているので、分子量は
1×2+16=18 となります。

ここで、再び「モル」の話に戻りましょう。
1molの水素原子とは、水素原子を1.0g集めたもので、
同じく、1molの酸素原子とは、酸素原子を16.0g集めたものを言います。
ちなみに、水素原子1個の質量が1.0gなのではありません。
原子量はあくまで質量の比であるということを忘れてはいけません。

化学の発展の上で、原子1個や分子1個の質量が非常に小さすぎるため、
それらを扱う際には「大量な集合としての評価」が必要でした。
そのため、化学者が原子や分子を扱う際に、
それらの量の比較をしやすいようにするために考えられた単位が「モル」なのです。
…そして、
ある物質1molの質量は、この物質の粒子の質量に比例します。
その結果、任意の物質1molの中には、他の物質1molと同数の粒子が存在することになるのです。
そして、1molの物質中に存在する粒子の数が、先ほど挙げた「6.02*10^23個」なのです。

ということで、モル自身の解説はここまで。
では次に、モルを使うのはどんな場合なのかをご紹介します。
まずは「モル体積」の解説です。

「モル体積 Mole volume」
「標準温度0℃、標準圧力1atm下において1molの気体の占める体積。理想気体なら22.4L」


例えば、1mol(2g)の水素分子H2は、0℃・1atmという条件下では22.4Lを占めます。
同じ条件下で、1mol(32g)の酸素分子O2は、同じく22.4Lを占めます。
このように、同じ圧力、温度の条件下で等体積の気体は等しい数の粒子を含むために、
いかなる気体物質をとっても、1molをとると、標準状態で占める体積は22.4Lとなるのです。

さらに気体の状態方程式というものがあります。
これは物質量n(mol)の気体が圧力p(atm)、温度T(K)、体積v(L)であるとすると、
pv=nRT(Rは気体定数=0.082L*atm/K*mol)
という方程式で表すことが出来るというものです。
この方程式を用いて、未知の値を求めることが可能です。

そんなわけでこんなことが言えます。

物質量(mol)=粒子の数/6.02*10^23
=質量(g)/モル質量      ※モル質量…原子量や分子量
=0℃、1atmの気体の体積(L)/22.4L

その他、溶液の話になると「モル濃度」、「質量モル濃度」という単位が登場します。
これはそれぞれ、溶液中1Lの溶質の物質量で表した濃度と、
溶液1kg中に溶けている溶質の物質量で表した濃度です。

足早に解説してきましたが、なんとなくご理解いただけたでしょうか…?

結局、なんだかとても分かりづらい解説になってしまいました。
…ごめんなさい。
モル自身の解説は出来たとしても、モルの利用方法は私いまだによく 理解していません。
私にとって「モル」は化学の問題集用語止まり。
まぁ、「モル」などという言葉は普段めったに(絶対に)使うことのない言葉ですので、
使う機会があったら是非使ってみてはいかがでしょうか?

参考文献
化学 その基礎へのアプローチ R.J.OUELLETTE著 東京化学同人
チャート式シリーズ 解法と演習 新化学TB・U 上地真一・鈴木啓介 数研出版

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