でいりー"貝"議録!


12月31日(金)…陸生巻貝:その5

昨日、成虫になって発光するホタルは3種しかいないとお伝えしましたが、
こちらを拝見させていただきますと、発光する種はだいぶいるような気がするのですが…。
なんなんだろう…?

ちなみに陸生ボタルの幼虫画像はこちら
この中で紹介されている「オオマドボタル」の幼虫って、やたら足長いですね!
ホタルじゃないです、あれは。
おそらく別の生き物です。
とはいえ、ホタルの幼虫はホタルの幼虫。
移動能力に優れているわけがありません。
陸生巻貝がエサとしてターゲットになっているのも理解できます。
12月30日(木)…陸生巻貝:その4

…突然ですが、
ホタルは世界で約2000種、日本には46種のホタルが生息しているといわれています。
そのうちのゲンジボタル、ヘイケボタルなどの4種が水生のホタルで、(幼虫時)
残りは全て陸生のホタルです。
つまり、ホタルのほとんどの種が陸生です。(私がヘイケ中心に考えすぎなのかもしれませんが)
そのため、エサとなる陸生巻貝は大量に必要ということになります。
しかし、成虫になってから発光する種は、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルの3種のみです。
光らないホタルをホタルと呼んでもいいのか!?…なんてことは人間の都合ですが、
陸生で唯一発光するヒメボタルを繁殖させようとするのでしたら、
まず、陸生巻貝の繁殖が必要ということになります。

参考文献
http://www.kubikino.net/tamugi/t_010624.html

12月29日(水)…陸生巻貝:その3

現在、全世界で約3万種、日本には約800種の陸生巻貝が生息しています。
これほどまでに多種多様なのには理由があります。
それは陸生巻貝の移動能力の低さです。
離島はもちろんのこと、道路が作られるだけで住処が分断されるため、種の孤立性が高くなります。
そのように地域的に集団が孤立して、独自の変化を遂げることが多いのです。
逆に、それらの種の分布などを調査していくことで、その地域の歴史を紐解くことも可能となります。

…そんなことだから、キセルガイの種を特定する作業が大変になるんです。

参考文献
http://www.lbm.go.jp/publish/umindo/volume6/umind6f.html

12月28日(火)…陸生巻貝:その2

陸に出ている貝の代表格といえば、やはりカタツムリです。
無論カタツムリも陸生巻貝です。
カタツムリというのは「マイマイ目」の総称です。
(一般的には、貝の殻が丸ければカタツムリと呼んでいますけれど)
しかし、そもそもの「カタツムリ」という呼び名も
「潟(かた=陸のこと)にいるつぶり(巻き貝)」という意味で、
小説でよく用いられた文学上の呼び名にすぎません。
「デンデンムシ」と呼ばれることもありますが、これは京都地方の方言だそうです。
こちらは「雷雨の時現れる虫」という意味です。

参考文献
http://www.h3.dion.ne.jp/~melodys/bakamame.html#014
http://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/kakuka/umikai/m000/m2003.htm
12月27日(月)…陸生巻貝:その1

日記には書いたことがあるのですが、私は陸生巻貝を飼育しています。
前までは2種いたのですが、1種は全滅してしまいました。
今は残る1種を飼育しています。
…そして、こいつの名前が分からないこともお伝えしたことがあります。

この中(キセルガイ超科キセルガイ科)のどれかだ!

…んなことは分かっています。
ただもうめんどいので、私は「白い方」と呼ぶことにしています。(もう1種が黄色かったから)

はっきりいって、陸生巻貝は増えづらいです。
なかなか卵を産んでくれません。(中には卵胎生の種もいますが)
サカマキガイのように一度に何十個という卵を産むことはありません。
せいぜい2〜4個といったところです。
それはつまり、1個体が長生きできるということを示しています。
サカマキガイの場合、稚貝が成貝になれる割合は非常に低いですが、
陸生巻貝の場合は割と高いのではないかと考えられます。
(もしくは、今の飼育環境が悪くて繁殖しないだけかも…。全滅もさせたし…。)

12月26日(日)…怪しげ生物:その3

といえば…、
貝の天敵かも、と思って飼育し始めたヒル(シマイシビル)もかなり怪しげな生物です。
まぁ、結局こいつらは貝を食べなかったわけですが、なんとなくまだ飼育を続けています。
というか、特にエサを与えているわけでもありませんし、
水換えなどしていないので水質は相当悪いかと思われます。
まぁ、言ってみればほったらかしです。
それでも全匹生きているので、相当生命力の強い生物であることは確かです。
たまにランチュウのエサをあげると喜んで食らい付きます。
つまり、肉食…?なのでしょうか。
こいつらを繁殖させるのが密かな楽しみだったりします。
12月25日(土)…怪しげ生物:その2

調査結果発表。
こいつ↓(昨日画像参照)は「ミズミミズ」というらしいです。
寄生虫じゃないみたいですね。
水が汚れてくると現れ、水質浄化に一役かってくれます。
ミミズの名の通り、ミズミミズの糞は微生物に分解されやすい形となって出てくるため、
ミズミミズがいるだけで有機物の分解効率がアップするそうです。
まぁ、決して悪いやつじゃないですね。

…キモいけどさ。

参考文献
http://www40.tok2.com/home/saninryugyokai/column_10.html

12月24日(金)…怪しげ生物:その1

貝を飼っているとどうしても発生する生物がいます。
それはこいつ。



ぼやけて見えているのはグッピーですが、
グッピーじゃなくてその手前に写っている白い線みたいなやつ。
実はコレ、傷でもゴミでもなくてれっきとした生物なのです。
さらにこの画像の一部を拡大しますとですね…、



ひ〜!大きいやつの他になんか小さいやつもいっぱいいます!

というように、知らぬ間に大繁殖してしまう怪しい生物なのです。
とくに姿形が怪しげ。
なんかウネウネ動くし。

これが噂に聞く貝の寄生虫か!?
と思い、調べてみることにしました。
その結果はまた明日。
12月23日(木)…サカマキガイの卵塊は:その2

通常、サカマキガイの卵はこのようなテロテロの



卵塊に包まれているわけですが、
この正体は一体何なのか?
ということで、鍋に少々の水と卵を入れて煮沸してみました。
こちらがその卵。



…卵塊は全然白くなってません。
むしろ卵そのものが白く。
あと、微妙に卵塊の粘着性も弱くなったような気がします。
卵塊が少し溶け出したのかもしれません。

おそらく想像するに…、
サカマキガイの卵は、鶏の卵などよりも保湿性に優れているため、
水分がより多く含まれているものと思われます。
そのため白くならなかったのかと。

…え〜とぉ、
ま、そういうことで。
12月22日(水)…サカマキガイの卵塊は:その1

何で出来てるんだろうね?

と以前先生から尋ねられたことがありました。
卵塊とは、サカマキガイの卵を覆う透明な膜のことです。
そこで調べてみますと、
「寒天状の…」
とか
「ゼリー状の…」
とか
「ゼラチン質の…」
ってことしか書いてありません。
なんだかとてもあやふや。
そこでさらに調べていった結果、「たんぱく質」という言葉に行き当たりました。
卵だからたんぱく質。
考えてみればとても単純です。
そう、きっと鶏の卵と一緒です。多分。
サカマキの卵が黄身なら、卵塊は白身です。多分。
きっと熱すれば白くなるはずです。多分。

ということで、明日にでもやってみます。
前代未聞の「サカマキガイ卵煮沸実験」

「まぁもし、卵の白身と同じような性質のものだったとして…だから何?」
…という意見は聞かないことにします。
12月21日(火)…貝の天敵

勿論、蛍幼虫は淡水に生息する貝類の天敵です。
あの食べっぷりをみると、かなり強力な天敵です。
まぁ、自然界にどれだけの蛍幼虫がいるかと考えるとそうでもないのかもしれませんけれど。
他にどんな生物が貝を捕食するかと言いますと、
サカマキガイの場合、アメリカザリガニ、ヒルなどが天敵だそうです。
ザリガニってホントに貝を食べるのでしょうか?
機会があれば試してみたいですね。
あと、ヒルの中でも貝を捕食するヒルと、しないヒルがいます。
私が飼っている(!?)「シマイシビル」は食べませんでした。
全然シカトな感じです。
他のヒルなら…って他のヒルの事をよく知らないので何とも言えません。

…まぁ、
「貝にとっては人間が最大の天敵」だと言ってしまえばそれまでなんですけれど…。
12月20日(月)…貝と蛍:その5

サカマキガイは蓋を持っていないため、捕食されやすい貝であることは確かです。
しかし、彼らも彼らなりの防衛方法を持っています。
それは「浮くこと」です。
水面まで浮いて張り付きます。
そして水面を張って移動します。
そうなると、蛍幼虫をはじめ、底生生物には手出しが出来ません。
柔らかい殻と蓋がない欠点を、逆にうまく利用している回避方法だと思います。

…しかし、結局のところ、

うっかり底まで沈んでしまって蛍幼虫に食べられたりしているんですけれどね。
12月19日(日)…貝と蛍:その4

ヘイケボタルを飼育していると、
ヘイケボタル幼虫のエサとして、サカマキガイ程「楽な」エサはないことが分かります。
タニシなら殻を割って与えないかぎり、幼虫はなかなか食べてくれませんが、
サカマキガイの場合、そのまま投入しても幼虫は勝手に食べてくれます。
大きさの問題もあるでしょうが、
一番大きな要因として、サカマキガイには蓋がないことが挙げられます。
殻に入り、蓋をすることによって天敵から身を守ることが出来ます。
つまり、殻と蓋はセットで効果を発揮するのです。
(殻口を底面につけて動かないという方法もありますが)
しかし、このサカマキガイは蓋を作ることを忘れてしまったかのように蓋がありません。
そのため、ホタル幼虫にとっては格好のエサです。

これは、サカマキガイが自分がもっている有限なエネルギーを、
蓋を作ることよりも繁殖能力の向上に当てたからに他なりません。
捕食される可能性は高いけれど、数で勝負ってことです。
一方のタニシは全く逆。
数よりも生存率で勝負ってことですね。
貝によっても生存戦略は全く異なるものなのです。
12月18日(土)…貝と蛍:その3

昨日、
「ホタルがリスキーな進化をしてしまった」
みたいなことを書きましたが、
ホタルからしてみれば、
「人間って、色々な物を食べなくちゃいけなくて大変」
と映っていることでしょう。
様々な栄養をバランスよく摂らなければ、人間は体調を崩してしまいます。
それこそ「リスキーな進化」といえるでしょう。
むしろ、「ある栄養源だけを摂取していれば生きていけること」こそ
効率的な摂食手法であると言えます。

…ただし、
単独種だけで栄養を賄っている生物の移動能力があまりにも低かったり、
狩りが下手だったりした場合、
「やっとありつけた獲物は、自分が食べることの出来ない生物だった」
などということが起こる可能性があります。
そんなことが起こり得るなら、様々な種をエサとすることができた方がやはり有利です。
(バランスよく摂らなければならないというのはかなり不利ですが)

ちなみに大抵の貝類は様々なものを栄養源とすることができます。
移動能力の著しい欠如がその最も大きな要因であると思われます。
12月17日(金)…貝と蛍:その2

蛍の幼虫は貝類しか食べません。
ヘイケボタルならサカマキガイ、タニシ、ホタテ…と、
貝類であれば、ある程度様々な種をエサとすることが出来ますが、
ゲンジボタルに至ってはカワニナしか食べないという偏食ぶりです。
これって、生命を維持していく・子孫を残すにあたって、
かなりリスキーな進化をしてしまったように思われます。
要するにカワニナがいなくなってしまえば、ゲンジボタルは全滅してしまうわけです。
しかも、実際にそうなりつつあります。
他の生物を食べることが出来るように進化していけば、生命をつなぐことが出来たであろうに…
…などと思ってしまいます。
そもそも、ゲンジボタルがカワニナしかいない水域で生息していたわけではないでしょうし。
そんなわけで、ゲンジボタルの飼育にはカワニナの繁殖が不可欠なのです。
12月16日(木)…貝と蛍:その1

以前、寄生虫について取り上げたことがありましたが、
蛍の幼虫は貝類をエサとしているにも関わらずに寄生虫にはやられないなぁ。
と、ふと思いました。
極端な言い方をすれば、「貝=寄生虫」を食べているわけです。
様々な文献を調べましたが、寄生虫が蛍に害を及ぼすことはないようです。
蛍が寄生虫を殺してしまう体内分泌物を持っているのか、
寄生虫が活動できないような体内構造になっているのか、
など、要因はいくつか考えられます。
そのためなのか「ホタルは風土病を防ぐ益虫」と言われていたそうです。
ここでの風土病とは「片山病」のような寄生虫が原因の病気です。
実際、ミヤイリガイ撲滅には蛍も使われたそうです。
(しかしその後、川はコンクリ固めの上、排水汚染によって…)
現在では、寄生虫そのものの数が減少していることから、
蛍は観賞用の生物としてのイメージが強くなっています。

参考文献
http://www.geocities.co.jp/Athlete/4456/sub-2_ins_obabotaru.htm
http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/22/2213.htm
12月15日(水)…変わった名前の貝

首切貝という貝がいます。
「クビキリ」ではなく、「クビキレ」と読みます。
なんとも恐ろしい名前ですが、それもそのはず。
この貝の生態的特徴として、
「幼貝はとがった殻頂があるが、成長するにつれ自らの殻上部を切り落とす。」
らしいです。

…なぜ?

あと、可哀想な名前の代表として、馬鹿貝があります。
…ヒドイ名前です。
名前の由来は、「バカガイのベローンと伸びた長い舌が、いかにもだらしなく見えるため」でも
「その時に触ると、ベロが長すぎて引っ込める間もなく殻を閉じるので、
結果的に自分の殻で自分のベロを切ってしまうため」でもありません。(十分馬鹿っぽいですが)
元々バカガイは、ハマグリに似ていて殻が薄く壊れやすいことから「破家蛤」と呼ばれていました。
それが変化していって、バカガイと呼ばれるようになったそうです。
また、食べると非常においしいらしいです。
更には、ベロを切る行為もトカゲの尻尾切りと同じで、
ヒトデ等から身を守る手段ではないかとも考えられています。
もしそうであったなら、バカガイは決して馬鹿ではないことが分かります。

参考文献
http://mirabeau.cool.ne.jp/shiohigari/bakagai.html
12月14日(火)…移入種:その12

その他、貝類の移入種としては、サカマキガイがイタリア原産です。
また、皆さんがよく口にしているハマグリはおそらく正式なハマグリではありません。
日本産のハマグリは数が激減し、現在市場に出回っているハマグリのそのほとんどがシマハマグリという種です。
中国を中心として、朝鮮半島やインドシナ半島などに分布するシマハマグリは、
輸入するだけならまだしも、放流される例もあったため大きな問題となっています。
さらには、水槽掃除用やその色彩の美しさから人気のラムズホーンやアップルスネイルも移入種です。
ラムズホーンの正式名称はインドヒラマキガイといい、
そして、アップルスネイルはスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)のことです。
飼っている人の水槽から逃げ出す、
または、飼い主が自然に放すなどして、
移入種の脅威が益々拡がる可能性があります。
12月13日(月)…移入種:その11

移入種が生態系に及ぼす影響として、
元々そこに生息していたある種の生物だけが捕食されるようになったり、
エサがなくなったりすることによって、食物連鎖のバランスを著しく欠き、
ある種の生物の激減や絶滅を招きます。
また、食害や遺伝的な汚染、寄生虫・病原菌の持込みなどその影響は様々です。

中国では、32種の昆虫、23種の病原菌、108種の雑草が外国から侵入し、
それらによって11億USドルの直接被害があり、また、それらを防除するために7億USドルをかけています。
このようにそれらの駆除のためには財政面も圧迫することになります。

貝類の中で移入種であり現在問題となっている種として、
アフリカマイマイやスクミリンゴガイがその代表として挙げられます。
これらの種による農業被害は深刻な問題となっています。
このように、安易な外来生物の移入は予想外の悪影響を及ぼす可能性があることを、
移入種の歴史は物語っています。

参考文献
http://www003.upp.so-net.ne.jp/consecol/alien_web/nantai/shyumei_list.html
http://konarc.naro.affrc.go.jp/kiban/g_seitai/applesnail/bunpu.html
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top
12月12日(日)…移入種:その10

昨日ご紹介したモンシロチョウの場合もそうですが、
日本へと渡ってきた経路を判断するのは非常に困難な作業です。
その他の生物種についても、「拡散の類型」の区別が困難なものが多いと思われます。

しかし、最も重要なのは、どのように日本に渡来したかではなく、
日本に渡来し、渡来先の生態系にどのような影響を及ぼしたか、です。
渡来種はこれからも確実に増え続けます。
法律や規制だけではそれらを完全に阻止することはできません。
そのため、渡来種が生態系にどのような影響を及ぼすかを調査し、その結果を基に行動を起こすなどといった、
大それた言い方をすれば「環境を管理する行動」が必要になってきます。
ただし、それらの多くは元々ヒトに起因するものだということも忘れてはいけません。

参考文献
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top

12月11日(土)…移入種:その9

ざいらいしゅ【在来種】
他地方の家畜・作物と交配されず、ある地方だけに長年飼育または栽培された品種。

また、国土交通省では用語の定義を以下のようにまとめています。

【在来種】
自然分布(分散を含む)をしている範囲内に存続する種、亜種又はそれ以下の分類郡

従って、自然分布であれば在来種と呼ぶことが出来るようです。

しかし、それは同時に「拡散の類型」が判明しなければ確定できないということでもあります。
例えば、モンシロチョウの場合、
日本に伝播してきたのは、自身の力及び風の助けを受けて海を渡ってきたからだという説と、
アブラナ科の野菜の伝来とともに移入してきたのではないかという説があります。
モンシロチョウが日本に渡ってきたのが今から400年前とされていますが、
その渡来方法によって、前者ならば「在来種」であって、後者ならば「移入種」ということになります。
「在来種」であるか「移入種」であるかを判断する材料が、
「いつ日本に渡ってきたか」ではなく、「拡散の類型」である以上、
遥か昔から日本で親しまれてきた植物、
ヨモギやイチョウ、ウメなども移入種という分類になってしまいます。

参考文献
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%BA%DF%CD%E8%BC%EF&kind=jn&mode=0&jn.x=14&jn.y=12
12月10日(金)…移入種:その8

「付着種」には「搬入種」に比べて「移入してきた年代が古い生物」が多く含まれています。
先日もご紹介しましたが、稲の伝来とともに海を渡ってきた生物はマルタニシだけではありません。
まず、稲そのものが「移植種」であり、
それに付着してきた多種の生物(生物付着種)が野生化し帰化したことは十分に考えられます。
そうなると、どこまでが「在来種」でどこからが「移入種」なのかについて考える必要があります。

参考文献
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top
12月9日(木)…移入種:その7

(2)物流などによって偶然に運ばれる場合
「物付着種」
海外から入港してくる船舶や、飛行機などの交通機関自体に生物が付着していたり、
輸送貨物の中に紛れ込んだりして移入してくる生物のことです。
船舶自体に付着し、移入してくる生物としてフジツボなどの貝類が挙げられます。
また、貨物に紛れ込んでくるものには、
長期間エサを取らなくても影響のない爬虫類が密航してくることが多いようです。
「生物付着種」
人が意図的に持ち込んだ生物(搬入種)に付着して持ち込まれる生物のことです。
淡水に生息する貝などは、熱帯魚観賞用の水草や砂などに付着して移入したものが多いとされています。
人体や衣類などに付着し伝播する衛生害虫も生物付着種に含まれます。

参考文献
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top
12月8日(水)…移入種:その6

(1)意図的に移入される場合
「移殖種」
移入した目的は様々ありますが、初めから野生化させる目的で移入した生物のことです。
その移入目的として、ある種の生物の駆逐を期待していたり、
また、レジャー目的での移入もあります。
具体的な例として、マングースカダヤシブラックバスなどが挙げられます。
「逸出種」
観賞用・食用・実験用など、本来ヒトの管理下の下で飼育される目的で移入された生物が、
逃げ出したり、飼い主が逃がしたりするなどして自然に放された生物のことです。
アライグマソウギョティラピアなどが逸出種にあたります。

参考文献
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top
12月7日(火)…移入種:その5

昨日挙げた生物の拡散の類型の中で、最も問題となるのはやはり人為拡散です。
人為拡散には、
(1)意図的に移入される場合
と、
(2)物流などによって偶然に運ばれる場合
の2種類があります。
ここでは、(1)意図的に移入された種を「搬入種」と呼び、
搬入目的・野生化に至るまでの経緯に応じて「移殖種」と「逸出種」に分けることにします。
また、(2)物流などによって偶然に運ばれた種を「付着種」と呼びます。
付着種は渡来手段によって、「物付着種」と「生物付着種」の2種に区別します。
つまり、「搬入種」+「付着種」=「移入種」となります。

明日はそれぞれの種について詳しくご紹介いたします。

参考文献
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top
12月6日(月)…移入種:その4

ニータマ―は生物の拡散について、

1.受動的拡散
・「風拡散」「水流拡散」「動物拡散」
 =「自然拡散」:人類が誕生する以前の太古より風や水流、動物の捕食などによって行われてきた拡散
・「人拡散」
 =「人為拡散」:人類の誕生以後、地史的にごく新しく行われるようになった拡散
2.能動的拡散
「水中での遊泳」「陸上での徒歩、あるいは這う」「空中での飛翔」
 など自らの運動器官を使って行う拡散
3.複合拡散
1と2の諸要因が複合されて起きる拡散

と、大きく3つにまとめています。

参考文献
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top
12月5日(日)…移入種:その3

ここで、「帰化種」と「移入種」という言葉を認識しておきましょう。

きか【帰化】
生物が、本来の自生地から人の媒介などで新たな地域に移され、その地の環境で野生化すること。

とあります。
「人の媒介など」と定義されているため、専門家の中には、
どんな要因であれ、海外から日本に入ってきてその地で野生化したものは「帰化種」である。
とされる方がいらっしゃいます。
そうなるとヒトが媒介せず、その生物の拡散性のみによって入ってきた生物も「帰化種」であると言えます。

いにゅうしゅ 【移入種】
本来の生息地以外の場所、人間の活動が原因になって持ち込まれた生物。
人為的に持ち込まれる場合と、人間活動に付随して持ち込まれる場合がある。
野生化・定着化すると生態系の破壊を引き起こす可能性がある。

言葉の定義も似ています。
そのために、これらの言葉の認識は専門家の間でもいまだ不明瞭だそうです。

大まかにまとめますと、
どんな要因(人を媒介とする、又は生物自身の拡散性)であれ、海外から日本に持ち込まれ、野生化した生物は「帰化種」
一方、野生化しているしていないに関わらず、人を媒介として入ってきた生物は「移入種」(生物の拡散性は含まない)
ということになります。
ここでは海外から日本へ、という極端な言い方をしましたが、
国内の生物の移動であっても「移入」ということができます。
つまり、人を媒介として今までに生息していなかったフィールドに新たな生物が入ってきたとしたら、
それはれっきとした「移入」となります。

参考文献
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%B0%DC%C6%FE&kind=jn
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%B5%A2%B2%BD&kind=jn

12月4日(土)…移入種:その2

「移入」に関する概念的なお話を少し。

生物の生殖本能には、「種を残し、さらには数を増やしていく」という増殖性が備わっていて、
さらには、どの生物もそれを実現できるだけの能力を備えています。
その結果、自分たちの活動範囲を広げようと種の拡散性を高め、移動を始めます。
一種の植物が、動物の捕食などによって移動性を持ち、子孫を残す方法を取り始めたのもこのためです。
その方法によって、生物の分布に大きな影響を与えたのはヒトです。
人類の歴史はまだ数万年程度ですが、ヒトが他の生物の分布に与えた影響は計り知れません。
ヒトが発生してからのその増殖速度、移動能力の高さが主な要因として挙げられます。
…このように、
「ヒトを媒介して活動範囲を広げるという生物の拡散は、その生物が本来備えている拡散性の一部である」
と、専門家の間では認識されています。

参考文献
http://www.kankyotv.net/seitai/zairai1.htm#top
12月3日(金)…移入種:その1

日本本土へと人為的に移入された最も古い生物は、マルタニシであるとされていて、
稲作の伝来とともに中国から移入されてきたと言われています。
そして、時代が進むにつれ、ヒトは多様で優れた移動手段を持つことになります。
それに伴い、人為的な生物の移入は増えていくことになりました。
明治から戦後にかけてはヨーロッパ(イタリア)原産のサカマキガイや、
北アメリカ原産のヤマヒタチオビガイが移入してきました。(貝を食べる貝として以前ご紹介しました)
1980年代以降はさらに移入種の数が増えていくことになります。
琵琶湖では淡水真珠養殖のための母貝が減少したため、
中国原産のヒレイケチョウガイが導入されました。
逆に、日本から海外へと進出して言った貝類もその数は少ないながら存在します。
ハワイやカルフォルニアに日本人が移住するようになってからというもの、
アサリがハワイやカルフォルニアに移植されるようになりました。
また、アサリは1980年代には地中海にも導入されています。

参考文献
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2002Shell/04/04300.html
12月2日(木)…有害貝類:その10

スクミリンゴガイの駆除として期待されているのが、生物を用いた除去方法です。
つまり、スクミリンゴガイの天敵を見つけ、その天敵に捕食させる方法です。
ここにスクミリンゴガイを捕食する生物について、詳細に調査されたデータがありますので、ご紹介させていただきます。
「各種生物のスクミリンゴガイ捕食能力に関するデータ」
これをご覧頂きますと、水田に普通に生息している生物種のほとんどはスクミリンゴガイを捕食しないことが分かります。
つまり、天敵がいないためにここまで爆発的に増えることができたということが分かります。
データを見る限り、アイガモやコイなどが捕食者として適しているようです。
しかし、その場合においても、アイガモやコイ自体が生態系を破壊しかねない生物であることを十分に理解し、
有効に利用していくことを考える必要があります。

参考文献
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1196
12月1日(水)…有害貝類:その9

その他の有害貝類としてはスクミリンゴガイが有名です。
南米原産の移入種で、1980年代初め頃に長崎県島原市の養殖業者が「ジャンボタニシ」という触れ込みで食用に輸入しました。
九州で養殖されていたものが各地に広まり、市場価値がないままうち捨てられ、
野生化して、九州から近畿地方、静岡県などに広がりました。
水稲やレンコンなどの農作物に対する食害が問題となっています。
8〜9月に数日間隔で数十〜数百個からなる真紅色から淡紅色の卵塊を産み、
年間総卵数は一個体あたり2400〜8600にもなります。
被害を防ぐため、水田への取水口に網を設置したり、水深が浅いと食害が抑えられることから水田の浅水管理を行ったり、
卵塊を見つけ次第破壊したり、水中へ落とす(産卵直後の卵は水中に落とすと死滅する)などの対策がとられていますが、
十分な効果が得られていないのが現状です。

参考文献
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2002Shell/04/04100.html
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1196
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