浄水場での利用
粒状活性炭処理粉状活性炭処理

活性炭の吸着効果は、浄水場でも利用されています。
浄水場では、粒状活性炭処理と粉状活性炭処理の二つの方法が用いられています。


粒状活性炭処理とは、粒状活性炭を1〜2mの厚さに充填した活性炭層に水を通して、接触ろ過をする処理方式です。
接触時間は10分程度が必要で、
水が上から下に流れる「下向流」(固定床・重力式)と、
その反対に流れる「上向流」(流動床)があります。
また、吸着機能だけでなく、
付着生物の働きを利用する生物活性炭処理(BAC)としても使用されています。

固定床で使用されるものは、
濁質の捕捉と生物の増殖によって目詰まりするため、
定期的に空気と逆流水での洗浄を行います。
それでも活性炭の表面がタール性物質で徐々に覆われてくるので、
数ヶ月から半年に一回程度、活性炭を取り出して加熱処理をする必要があります。

流動床も洗浄は必要ですが、
活性炭が水流によって膨張し、揺れ動くことによって表面が削られて、
細粒となって流出し、目減りします。
このため加熱処理はしませんが目減り分の補充が必要です。

現在、導入されている浄水場では、
活性炭槽に汚泥負荷をかけないようにするために、砂ろ過した後に粒状活性炭処理をしているところが大部分です。
しかし、活性炭層内では塩素がないために、微生物が繁殖し、それらが流出してしまうという問題があるため、
粒状活性炭処理の後に、処理を行う必要があります。

この方法は、凝集沈殿法だけでは除去できない低分子の着色成分(分子量1500程度以下)が
常時または相当長期にわたって原水に含まれている水を処理する浄水場や、
大河の下流に位置し、水質の安全をはかるために常に活性炭を用いる必要がある場合に有効です。

この場合の運転費は、施設費の他、
活性炭のコスト(粒状活性炭の再生費、再生操作の際の活性炭損失量および最初の活性炭のコスト)となります。


粉状活性炭処理とは、着水井などに粉末状の活性炭を投入し不純物を吸着させ、
その後、凝集処理をして粉状活性炭を懸濁質として沈殿、ろ過し、吸着された溶解成分ともども除去する処理方式です。

この方法では、新たな施設がほとんどいらず、必要に応じて活性炭を着水井などに投入すればよいので、施設費は安価となりますが、
活性炭は1回使いで汚泥として捨てられてしまいます。
そこで、この方法は年間のある限られた期間に、原水の味や臭いが問題になるような場合に臨時の手段として多く用いられます。




参考文献
『1問1答 高度浄水処理と安全な水』

『浄水の技術』


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